独立して事業を始めてみようと思ったいきさつには人それぞれにいろんな事情があると思います。親の事業を引き継いだ。いつかは社長になることを夢見ていた。会社の都合ではやむを得ず退職、独立せざるを得なかった。
さて、その事情はともかく、独立・起業する方に共通するはっきりとした事実があります。その事実を、今一度確認していただきたいのです。本当に当たり前のことばかりですが、多くの独立・起業家の相談を受けてきた私はすごく大事なことと考えています。
①経営と言うのは、固定給なしの完全歩合給で運営されています。
サラリーマンのように基本給などありません。基本給どころかマイナス、つまり赤字で持ち出しのことだって普通にあるのです。起業したものの、数年たってもうまく行かずサラリーマンに戻る方も多くおられます。とにかく完全な実力の世界であることをしっかり覚悟しておいてください。うまく行かないときのために、資金もしっかりと準備してください。
②どの業界にも強い競争相手がいる。
ただ会社をつくって、ただ店を作って・・・というだけではうまく行きません。「ああいうことをやりたい」「こうしたい」などという起業前の夢や憧れが叶わず、不本意な状況の中で失意の日々を送る可能性も高いのです。それは、あなたがこれから活躍したいと思う場所にはすでに、多くの顧客、多くの人材、多くの資金を有して、しっかりとした事業基盤がある会社がさらなる発展、業績向上を目指して激烈な競争を繰り広げているのです。一体その強い会社と戦って、どうやって勝ち残るかしっかりとしたプランはお持ちですか!?競争相手の何倍も努力する覚悟はできていますか!?
③経営内容が悪くなっても誰も助けてくれない。
全て自己責任。コロナ禍の現在では、給付金、補助金等により日本政府が例外的に経営の支援をしてくれていますが、これは非常に特別なことです。通常では、あなたの経営が苦しくなっても銀行も、政府も誰も助けてくれません。また、一般の人が気の毒に思い、お客になってくれるなんてことは絶対にあり得ません。
自社の商品、サービスを購入する顧客は誰か?その顧客に自社の商品、サービスをどうして知ってもらうか?そして、どのようにして購入してもらうか?お客から気に入られて、忘れられないようにするにはどうすべきか?
勝ち残り、生き残るには、答えがなく、確信を持ちにくいライバルとの競争を延々と続けることになるのです。
当たり前のことばかり書きましたが、起業するということはこのような世界に挑むことですので、十分な覚悟と準備が必要です。
しかし、私が知っている限り、顧客も十分にいる、テスト販売もしっかりして、商品力も確認している、当面の資金もある。もう準備万端。というような人はほとんどおられません。
起業を考えておられるあなた、覚悟と準備はいかがですか!?